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2014.04.26 02:28|カテゴリ:自分語り/SSコメント(0)

「人を騙すと金がもらえるバイトで、高校の先輩を騙すことになった話」part5(終)




 俺はケータイを開いて、例のバイト先に電話する。
 おっさんにつないでもらって、聞きたいことを聞けた。



 次の日。
 この日も体調はすぐれなかったけど、俺は学校に行った。
 放課後。先輩と会う約束をメールでとりつけていた。

「ひさしぶりだな」

 本当にひさびさだったんだよな。
 気まずいと思ったのは、本当に最初だけだった。
 「すんませんでした」と最初に俺は謝罪する。




        

384: 名無しさん 2014/04/25(金)14:04:14

お、やっと>>1が来たか。
今日で完結かな?

no title


385: >>1 2014/04/25(金)14:05:54 ID:XVOk2N8vc


「なんであやまるんだよ?」

「だましてたのはオレだぞ。ついでに、例の会長もいっしょにだましてたんだぜ、オレ」

「だからあの子は、なにもわるくねえんだよ」

 俺は「うそですよ」と否定した。

「本当にそうだったら、会長はそう言ったはずです」

「お前、ちょっと頭よくなった?」

「実はキレ者なんですよ、ボク」


 先輩は吹きだした。

「あの子とオレ、中学のころからの知り合いなんだよ」

 それから先輩は、これまでの経緯を説明してくれた。


387: >>1 2014/04/25(金)14:10:11 ID:XVOk2N8vc


 俺は知らなかったけど、会長の家は母子家庭らしい。

 会長のお母さんは、そこそこいい職についてるらしいので、
 生活に困っているというほどではなかった。

 それにくわえて会長は優秀だったから、学費の免除もされてた。
 でも彼女はどうしても高校のうちに、留学しておきたかったらしい。

 それで、あんなハードな生活を送ってたらしい。
 生徒会をやっていたのは、推薦枠で大学に行くため。
 俺とほとんど遊ばなかったのも、すこしでもお金を使わないため。

 ファミレスのバイトをやってたのも留学のため。
 そして例のだましのバイトも。


389: >>1 2014/04/25(金)14:15:41 ID:XVOk2N8vc


「オレが例のバイトを紹介したんだよ。
 あの子ならまちがいなく稼げるって確信があったからさ」

 おそろしい話だが、あれだけハードなスクールライフを送っていながら、
 バイトのかけもちをしていたときもあったそうだ。

 がんばりすぎた会長は一度、ひどく体調をくずした。
 それを見かねた先輩は、彼女に例のバイトを教えた。

 会長は最初は本気で拒否した。
 それどころか、先輩をおこったらしい。

 じゃあどうやって会長を説得してバイトをやらせたのか。

 俺の出番だった。


390: 名無しさん 2014/04/25(金)14:16:57

>実はこのあいだに、クリスマスとかはいっしょにすごしたりしたんだよ。

>ただし、先輩の家で。しかも家族とだったけど。

↑の「先輩」って、会長のことじゃなく、この先輩のことだったのか。
ってことは会長と先輩はかなり仲が良かったのかな。


391: >>1 2014/04/25(金)14:19:35 ID:XVOk2N8vc

>>390すみません、そこの『先輩」は単なるミスです。
「先輩」ではなく会長です。

それから絵めっちゃかわいい
感謝です


392: >>1 2014/04/25(金)14:20:08 ID:XVOk2N8vc


 だましのバイトで俺がボロもうけしている。
 そう教えたそうだ。

 そしてそのあと、今度は俺が先輩にそそのかされて、会長に告白する。

 これがきっかけにして、先輩は会長を言葉巧みに説得した。

 完全に仕組まれていたわけだ。

 まあここまでは、考えなくてもわかることだよな。

 問題は次だ。
 どうして会長はバイトをやめたのか。


393: >>1 2014/04/25(金)14:25:38 ID:XVOk2N8vc


「先輩、いつかボクに言いましたよね?」

 「魅力があるものは時間をうばうって」と俺が言うと、会長は苦笑いした。

「よく覚えてたな、お前」

「かっこいいなって思ったんですよ」

「アレてきとうに言っただけだぞ」

 「マジかよ」と頭をかかえそうになったけど、無理やり会話を続けた。

「ボク、思うんですよ。
 時間もボクたちから、いろんなものをうばってるって」

 あまりに当たり前のことを、俺はかっこうつけて言った。


394: >>1 2014/04/25(金)14:32:15 ID:XVOk2N8vc


「そもそもこのバイトの給料基準って、いまいちわからなかったんですよね」

 昨日ベッドの上で必死に考えた推測。
 俺はそれを先輩に言ってみた。

 実はバイトの面接を終えた段階で、気づいてもよかったんだよ。

 もしウソの質が給料の基準だったとしたら、
 バイトを早々にやめる人間が多い、というのはおかしいんだよ。

 やめる理由はたぶんシンプルなものだ。
 単純に給料がすくなくて、やっていても仕方がないから。
 じゃあどうして給料があがらないんだって話になるよな。
 長く続けりゃ、ウソのコツもつかめるようになるはずなのに。


395: >>1 2014/04/25(金)14:37:36 ID:XVOk2N8vc


 ここまで考えて、俺ははじめてある結論にたどりつくことができた。

 だますのは手段であっても、目的ではないんじゃないかって。

 俺がウソをついた際の給料のあがり具合。

 会長や母親に対してウソをついたさいは、かなり額があがった。
 それに対して演説のウソのときは、逆にほとんど増えなかった。
 そして、俺の給料がだんだんあがらなくなったこと。
 十代が対象になっていたわけ。

 これらのことを考えたとき、ひとつの答えが出た。
 給料の基準になっているのは、ウソの質じゃない。


 ウソをついたさいに生じる罪悪感だ。


398: >>1 2014/04/25(金)14:47:03 ID:XVOk2N8vc


 これは俺の勝手な予想なんだけど。

 おそらくウソをつかなくても、罪悪感を感じさえすれば、
 勝手に給料はあがっていくと思う。

 多くの人がこのバイトをやめる理由も、これで解決するわけだ。

 時間は感覚をうばう。
 ウソに慣れれば、当然罪悪感や後ろめたさなんてものは感じなくなる。

「先輩はこのことを知ってたんですよね?」

「もちろん。そうじゃなきゃ、あの子にこのバイトをすすめなかったよ」

 そう。人一倍、いい人である会長だから。
 先輩はこのバイトをすすめたんだ。


399: >>1 2014/04/25(金)14:55:34 ID:XVOk2N8vc


「けど、どんなにいいヤツだって、感覚は麻痺するからな」

「だから会長はやめたんですよね。あのバイト」

「うん。泣きそうな顔でそう言ったよ」

昨日、俺は例のバイト先に電話してあることを確認したんだよ。
会長がやめたときの給料が、さがっていたかどうか。それを聞いた。
意外なことにおっさんは俺の質問に答えてくれた。

給料はさがっていた。

俺が気づけたことだ。会長が気づけないわけがない。

つまり、彼女はわかってしまったんだ。

自分の中の罪悪感が消えはじめているってことに。


400: >>1 2014/04/25(金)15:02:24 ID:XVOk2N8vc


 「感覚が麻痺していく自分に、嫌悪感を感じたんだろうな」と先輩は言った。

「あのバイトにあの子は向いてたけど、向いてなかったんだよな」

「ボクもそう思います」

 おっさんが言っていた『ある意味で素質のある子でしたから』という言葉。
 今ならその意味も理解できる。

「ところでさ。お前、どうして今さらオレにあやまったり、
 オレを許そうと思ったんだよ?」

 「あのバイトから先輩にメールが来ていたから」と答える俺。
 「なるほど」と先輩は空をあおいだ。

「まあさすがにオレも後ろめたくなったんだろうな」


402: >>1 2014/04/25(金)15:11:43 ID:XVOk2N8vc


 おっさんは面接のときにこんなことを言っていた。


『やめるときはその時計を事務所までもってきてほしいな』


 実はあのバイトをやめるために、事務所に行ったとき。
 おっさんは俺に時計をもってろと言ってきた。
 おっさんは俺にも言ってたんだよ。

 『なかなか素質あるね、キミ』って。

 時間は感覚をうばう。
 どうじに、時間は忘れていた感覚をよみがえらせてくれる。

 俺にもメールがきた。
 先輩にもメールがきた。


403: >>1 2014/04/25(金)15:21:22 ID:XVOk2N8vc


「オレさ、けっこうあの子のこと好きだったんだよ」

「マジですか?」

「でもなんか踏み出せなかったんだよな」

「へえ。先輩でもそんなことあるんですね」

「正直お前には嫉妬した」

「でももう終わったことですよ」

 先輩が俺を見た。

「終わったのかよ?」


406: >>1 2014/04/25(金)15:31:03 ID:XVOk2N8vc


 俺はなにも言えなかった。
 結局春から今までがんばってきたのも、
 気をまぎらわせたかっただけなのかもしれない。

「まあアレですよ」

「なんだよ」

「男はうしろをふりかえっちゃダメなんですよ」

「あの子はこんなことを言ってたぜ」

 先輩がめずらしくまじめな顔だった。

「きちんと前に進むには、うしろをふりかえる必要があるって」

 その言葉の意味は、よくわからなかった。


408: >>1 2014/04/25(金)15:39:22 ID:XVOk2N8vc


 それからは特別なにがあったわけじゃない。
 先にも書いたように、俺はがむしゃらにがんばった。
 まわりの推薦もあってか、俺は会長職を後期になってもやることにした。

 まあでも、それだけだった。

 高校二年の一年間は、
 今までの人生で一番早くすぎた。

 あっというまに春がきて、俺は三年生になった。
 
 その日。
 生徒会の用事で、俺は春休みにもかかわらず学校に来ていた。


410: >>1 2014/04/25(金)15:44:40 ID:XVOk2N8vc


 すでに掲示板にクラス表が張り出されてると、
 先生から聞いたので俺は見に行くことにした。

 掲示板を見て、俺は素直に驚いたんだよ。

 うちの学校は学力でクラスわけがされてる。
 下から数えたほうが早いクラスにいた俺が、学力二位のクラスにいたんだよ。

 でも嬉しいのかと言われると、ちょっとよくわからなかった。
 
 ほかに誰かいないかなって、名前を目で追っていた俺は
 「あれ?」とつぶやいてしまう。


413: >>1 2014/04/25(金)15:51:32 ID:XVOk2N8vc


 クラス表に知っている名前があった。
 同姓同名かと結論を出した俺の背中に、


「ナガタくん?」


 完全にしどろもどろになってた。
 名前を呼ばれただけなのにな。
 
 あの人の声は不思議と、耳にすっと入ってくるんだよ。
 
 俺はふりかえった。
 
 本当に会長がいた。


416: >>1 2014/04/25(金)15:59:00 ID:XVOk2N8vc


 なにが起きているのか。
 頭の中がごちゃごちゃになったけど、すぐに理解した。

 会長は留学して休学した。
 その結果、俺と彼女は同じクラスになったわけだ。

 俺の口から出てきた言葉は、
 「ひさしぶりです」でも、「元気でしたか?」でもなかった。

 「すみませんでした!」だった。

 先輩にはもう終わったこととか言ってたのにな。


417: >>1 2014/04/25(金)16:06:07 ID:XVOk2N8vc


 バカな俺はどうして自分がひらすらがんばってたのか、
 そんなことすらわかっていなかったんだよ。
 俺は彼女ともう一度話すためだけに、がむしゃらにがんばってたんだ。

「許してくれるの?」と聞いてきた彼女に、
 俺は先輩に話したことと同じことを話した。

「わたし、全部知ってたうえでナガタくんのこと、だましてたんだよ?」

「知ってます。ボクもそうでしたもん」

「うそつき。わたしがだましてたことは、知らなかったでしょ?」

「いいえ、知っていました」


418: >>1 2014/04/25(金)16:11:41 ID:XVOk2N8vc


 もちろんウソだ。

「ウソつき」

「ウソじゃない」

「本当は?」

「ウソです」

 こんなやりとりをしたあと、俺たちは仲直りした。
 ただひとつだけひっかかることがあった。
 
 会長が俺に、「わたしがバイトをやめた理由。まちがってないよ」とたずねた。

「でも罪悪感のことだけが、理由じゃないんだよ」
 
 俺は首をかしげた。意味がわからなかったからだ。
 会長はため息をつくと「もういいや」と笑った。


419: >>1 2014/04/25(金)16:18:02 ID:XVOk2N8vc


 俺たちはもう一度、友達として関係をスタートさせた。
 ただ以前とはずいぶん俺たちの仲は変化した。

「とりあえず会長って呼ぶのはやめてね。今はそっちが会長だし」
「それと同級生だから、敬語も禁止」

 彼女の提案を俺は受けいれた。
 俺たちは前に比べると、お互いにズケズケとものを言うようになった。

 それとはじめて完成させた話を、俺は彼女に読ませた。
 
 『自分の不幸をなげく女の子に不幸自慢をする男の話』というもの。

 タイトル通りのことをして、ケンカが起きて最終的に、
 すこしだけふたりが仲良くなるという話である。


420: >>1 2014/04/25(金)16:23:22 ID:XVOk2N8vc


 「変なの」と感想を言う彼女に「面白いだろ」と俺は返した。


 それから受験では非常に苦労した。
 それでも俺も彼女も志望校に合格することができたんだよ。

 俺と彼女は通う大学こそちがったけど、ふたりとも上京することになった。



 で、卒業式の日。
 ベタだけど俺はこの日に彼女に告白した。

 俺が好きだって言うと、
 彼女は目を丸くして「こりない人」と言った。


421: >>1 2014/04/25(金)16:27:23 ID:XVOk2N8vc


 「わたし、ウソつきだよ」と彼女は微笑んだ。

 「オレもだけど」と赤くなった頬を俺はかいた。

 「そうだったね」

 ウソからはじまった俺たちの時間は、一度白紙になった。
 そしてまた新しいものになった。
 
 そして今は。


423: >>1 2014/04/25(金)16:28:26 ID:XVOk2N8vc


「ウソつき」

「ウソじゃない」

「本当は?」

「本当です」


424: >>1 2014/04/25(金)16:29:29 ID:XVOk2N8vc


 おわり


425: >>1 2014/04/25(金)16:30:27 ID:XVOk2N8vc


これにてこのお話は終わりです。
朝に終わらすと言ってまた時間をオーバーしてしまいましたが、
ここまで読んでくれた人はありがとうございました


427: 名無しさん 2014/04/25(金)16:32:47

とても面白かった。
膨らませばラノベ一冊分にはなりそうだな。


428: 名無しさん 2014/04/25(金)16:33:12

この設定ちょっとぱくって漫画日和描いていい?


430: 名無しさん 2014/04/25(金)16:34:27

ちょwwwww凄いこの先が気になるじゃねえか
伏線がなかなか巧妙だった乙

>>428ワロタwwww


429: 名無しさん 2014/04/25(金)16:33:40

↑漫画描いていい?のまちがい


431: >>1 2014/04/25(金)16:38:57 ID:XVOk2N8vc

>>429たいした設定じゃないのでどうぞ


443: 名無しさん 2014/04/26(土)01:04:54

>>1
伏線の貼り方が上手すぎwwwww
すごい面白かった

「人を騙すと金がもらえるバイトで、高校の先輩を騙すことになった話」part1へ



引用元: http://viper.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1398002732/



        


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