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2014.04.25 02:05|カテゴリ:自分語り/SSコメント(0)

「人を騙すと金がもらえるバイトで、高校の先輩を騙すことになった話」part2



「今からそれっぽい告白セリフを考えとけよ」

「で、でもどうやって会長さんと接触するんですか?」

「そこらへんはオレにまかせとけって。なんとかしてやるから。
 それより告白セリフをしっかり考えろよ」


 この会話のあと、俺は家に帰った。
 そして玄関の扉を開くと同時に、先輩からメールがきた。


『明日の昼休みなら、例の会長さん時間あるって』




        

151: >>1 2014/04/22(火)18:36:31 ID:xnEzk12Gy


 先輩の行動力にはいつも感心させられる。
 今回にかぎっては「ふざけんなくたばれ!」って思ったけど。

 この日は母親がめずらしく早く帰ってきた。
 職場の同僚から『メリメロ』をもらったとか言って小躍りしてた。


「どうせ太るなら、うまいもんで太りたいよねえ。アンタも食べるっしょ?」


 俺も母親の影響で、甘いもの大好き人間。

 フルーツタルトだからなおさら食べたかったけど、明日のことを考えたら、
 食べる気になれなかった。

 なぜかこの日は『うちの猫のキモチがわかる本』を寝るまでずっと読んでた。
 そして、次の日の昼休みになるわけだ。


155: 名無しさん 2014/04/22(火)18:42:37

>>151
メリメロ?
カリメロなら知ってるが


152: >>1 2014/04/22(火)18:39:49 ID:xnEzk12Gy


 うちの学校の最上階は、すべて特別教室になってるんだ。
 だから休み時間なんかは、ほとんど人が寄りつかない。

 昼休み。俺がのろのろと最上階にあがると、すでに会長はいた。


「ナガタくん?」


 俺は必死でうなずいた。
 完全にしどろもどろになってた。

 名前を呼ばれただけなのにな。
 会長の声は不思議と、耳にすっと入ってくるんだよ。


154: >>1 2014/04/22(火)18:42:20 ID:xnEzk12Gy


 しかも近くで見ると案の定かわいいんだわ、これが。

 女子高生ってニキビとかで肌荒れしてたりするじゃん。
 でも会長のほっぺはスベスベ。触りてえなって思った。

 「はじめまして、だよね?」って言われて、
 ようやく俺は自分が陥ってる状況に気づいたわけだ。

 告白以前の問題があった。俺と会長は初対面。

 なんとか自己紹介をすませたときには、汗だくになってた。
 会長は逆に落ち着いてたなあ。

 なにを話して、なにを聞いたのか。ここらへんの記憶はほぼゼロ。


156: >>1 2014/04/22(火)18:45:04 ID:xnEzk12Gy


>>155メリメロはフルーツタルトだよ。
   


 で、絶対に成功しない告白をした。
 
 『絶対に成功しない』って思ってるくせに、
 会長の言葉が返ってくるまでの時間が、異様に長く感じたんだよな。

 「ごめんなさい」って声が上から聞こえて、
 ようやく俺は自分がお辞儀をしてることに気づいた。

 顔をあげると会長は困ったような顔をしてた。
 
 そりゃそうだわな。


157: >>1 2014/04/22(火)18:47:29 ID:xnEzk12Gy


 俺はさっさと謝って教室にもどろうと思ったんだけど、

「ごめんなさいっていうのは、そういう意味じゃなくて。
 ちょっと急すぎて、ついていけないっていうか」

 たしか、続けてこんなことを会長は言った。

「もしよかったら、お友達からどうですか?」

 「よろこんで!」って俺が大声で返したら、会長は笑ってくれたんだよ。
 嬉しすぎてもう一度同じことを言った。
 今度は苦笑いされた。


 そのあとちょっと会話をして、
 「じゃあまたね」って言い残して、会長は去っていった。


159: >>1 2014/04/22(火)18:51:00 ID:xnEzk12Gy


 しばらくニヤニヤが止まらなくて、俺はその場にいたんだけど、
 五分ぐらいすると急に憂鬱な気分になった。

 理由はふたつ。

 ひとつは、俺と会長には接点らしい接点がないってこと。

 そう、どう考えても自分から会いに行かないかぎり、
 俺と会長が交流することはまずないんだよな。

 そして、ふたつめ。こっちのほうがもっと重要だった。

 素直に申しわけないと思ったんだよ。
 あんないい人の時間を、自分のウソで浪費させたのかと思うとね。


160: >>1 2014/04/22(火)18:54:27 ID:xnEzk12Gy


 かわいいって、ある種の魔法だと思う。

 教室にもどっても、しばらく俺は会長のことを考えさせられた。

 そんな俺に先輩からメールがくる。
 でも俺はこの時点では返信しなかった。
 放課後に直接、先輩に話すことにした。



「やばいっすわ、先輩。あの人はボクにはもったいないですよ」

「その前に結果を教えろよ」

 放課後。
 俺は先輩の教室で昼休みのことを説明することになった。

 一通り話を終えると、先輩は「まあ上出来じゃねえの?」と笑った。


162: >>1 2014/04/22(火)18:58:22 ID:xnEzk12Gy


「びっくりですよね」

「だから言ったろ? あの女はB線だって」

 冷静に考えたらかなり失礼なこと言われてんだけど、
 このときの俺は浮かれていたので「そうっすねえ」と先輩とゲラゲラ笑ってた。


「ところで、肝心の金はどうなったんだよ」


 会長のせいで、完全に本来の目的を忘れていた俺。
 ケータイからサイトに入って、給料の額を確認する。
 思わずシャウトしてしまった。
 ディスプレイに表示された数字は、


 『4』と『5』。そのあとに『0』が三つ。


165: 名無しさん 2014/04/22(火)19:04:59

女を騙した方が金が入るのか


166: >>1 2014/04/22(火)19:06:03 ID:xnEzk12Gy


 しばらく先輩は「ウソすげえ!」とはしゃいでいた。
 べつにアンタが金をもらえるわけじゃないんだけどなあ。

 ふと俺は、気になったことを先輩にたずねた。


「先輩って、会長さんと知り合ったんですか?」


 どうやって昼休みの約束をとりつけたのか、ひそかに気になっていた。


「あの子の友達に頼んだんだよ。会長さんと話したいヤツがいる。
 だから暇なときでいいから、話してやってくれって」

 先輩は腕時計を確認すると、
 「そろそろ学校でないと、バイト間に合わないから行くわ」と机から尻をどかした。

「やっぱりお前は、俺の見こんだオトコだわ」と先輩はうそぶいた。


167: >>1 2014/04/22(火)19:09:27 ID:xnEzk12Gy


 しかし告白したからと言って、すぐになにか起きるわけじゃない。
 大きな変化は会長に告白した十日後だった。
 ちなみにこの十日の中で、例のバイト先にもう一度行っている。
 
 口座番号を伝えるついでに、金の基準について聞いてみたかったからだ。


「ご足労をわずらわせて申し訳ないけど、それだけは教えられないんだよね」

「じゃあなになら教えてくれるんですか?」

「世の中には質問しても、教えてもらえないことがある。……ってことかな?」


 例のおっさんが唇をゆがめた。イラっとした。

 俺は洋画や小説に出てくるような、
 気取ったしゃべりかたをするヤツが、だいっきらいだった。

「まあお金を手に入れるコツは、コツコツとだますことだね」

 「ありがとうございました」とおっさんに言って、薄汚いビルをあとにした。 
 帰りに本屋に寄って、一時間だけ立ち読みしてから家に帰った。


169: >>1 2014/04/22(火)19:11:28 ID:xnEzk12Gy


 さて、十日後。

 このあいだに俺と会長は一度も会ってない。
 そのことを先輩に言うと「バカヤロー」と俺を小突いた。


「てっきり、いっしょに下校ぐらいはしてるのかと思ったわ」

「そんなわけないでしょ」

「で? ほかにはなんかあった?」

「びみょうなウソをついてるぐらいで、特になにもしていないです」

「本当にほかになにかないのか?」


 先輩が顔をグッと近づけてくる。
 俺は会長に関連したエピソードを無理やりひねり出した。


170: >>1 2014/04/22(火)19:14:06 ID:xnEzk12Gy


 この日の休み時間のこと。
 みんなでダベっているところに、担任のアオヤマが入ってきた。

「誰か生徒会に立候補するヤツ、いないか?」

 日本史担当でありながら、体育教師にまちがわれる担任の言葉には、
 みんな、てきとうにしか反応しなかった。
 ただし、俺だけは露骨に反応してしまった。

 生徒会=会長。



 そのことを話すと、先輩は口をとざした。
 間違いない。この人はなにか俺にとってよからぬことを考えている。

「お前さ、役職はなんでもいいから立候補しろよ」

 予想どおりだった。


171: >>1 2014/04/22(火)19:16:45 ID:xnEzk12Gy


 なんでも、今回の生徒会選挙には会長も立候補するらしい。
 しかも会長に立候補するヤツはひとりもいないらしい。
 つまり、彼女の当選はほぼ確定している。

「お前も当選しろ。そうすりゃ、あの子とお近づきになれるぞ」

 実のところ、人前で話すのはそんなに苦手じゃない。
 中学のときは調子に乗って、生徒会をやったことがある。

 ただし、条件がまったくちがう。

 俺の通っていた中学は、ド田舎で生徒数がかなりすくなかったし、
 顔見知りじゃないヤツを探すほうが大変なぐらいだった。
 
 それにたいして高校は、1200人は確実にこえている。

 そもそも、なんで先輩は俺と会長を仲良くさせようとするんだろ。


172: >>1 2014/04/22(火)19:19:34 ID:xnEzk12Gy


「ていうか。まず受からないですよ」

 俺の言葉に先輩は首をふった。

「なんの考えもなしに、立候補しろなんて言うわけないじゃん」

 今度は俺が首をふる番だった。

 この人が断言したことは、まず外れない。
 つまり当選してしまうってことだ。それは困る。


「じゃあわかったよ、当選しなくてもいい。立候補だけしな」

「なんでですか?」

「お前にとって利益があるからに決まってんだろ」


 次の先輩の言葉を聞いて、俺は「なるほど!」と声をあげた。


174: >>1 2014/04/22(火)19:25:34 ID:xnEzk12Gy


 全生徒の前で話す。
 大勢の人間にたいしてウソをつける。
 つまり、いっきに金もうけができるかもしれないってわけだ。

「悪くない話だろ? 政治家顔負けのホラをふいてやれよ」

「やばっ。ちょっと楽しそうですね」

 俺と先輩は顔を見合わせてニヤニヤした。
 で、単純な俺は体育館の壇上に立つことになる。


 どうでもいいけど、担任のアオヤマには感謝された。
 クラスの連中からは、メチャクチャからかわれたけど、気にしないことにした。

 ついでに先に結果を書いておく。
 俺は当選してしまう。先輩のちいさな策略によって。


175: >>1 2014/04/22(火)19:29:11 ID:xnEzk12Gy


 後期生徒会役員選挙の当日。
 簡単な予行演習を終えて、本番。

 予行演習には会長がいなくて、すこしガッカリした。
 壇上から大勢の生徒を見ると、さすがに緊張せずにはいられなかった。

 しかも俺はトップバッター。

 進行役の生徒がしゃべりだして、しばらくして俺の名前が呼ばれた。
 椅子から立ち上がって、マイクの前に立つ。
 深呼吸をしてから、俺は口をひらいた。

「今回、後期生徒会……」


 すぐに俺は気がついた。マイクが反応していないことに。


183: >>1 2014/04/22(火)23:20:44 ID:4kdN8pITy


 さすがにこれには焦る。
 声が届かないんじゃあ、聴衆をだませない。ウソをつけない。
 焦る俺。だけど救いの手は予想外のところから来た。

 不思議なことに歓声があがったんだわ。

 なにかと思ったら、マイクをもった会長が舞台袖から出てきてた。

 会長は俺のところへ来ると、
 「がんばって」とにっこり笑って俺にマイクを手渡した。

 俺は思わずかたまってしまった。
 誰かが歓声をあげて、なぜか拍手がわいた。


184: >>1 2014/04/22(火)23:26:31 ID:4kdN8pITy


 そのあと俺は、こころにもないことをひたすらしゃべりまくった。

 演説を終えてパイプ椅子にすわると、ここちのいい達成感がわいてきた。

 生徒会に立候補するヤツって意外と多いんだよな。
 演説がはじまってから、休憩をふくめて一時間半はたっていた。
 とちゅうから半分寝かけてたんだよ、俺。
 たぶん、半分以上の生徒も同じような状態だったはず。

 でも急に目が覚めた。

 会長が演説をはじめたんだよ。


186: >>1 2014/04/22(火)23:29:27 ID:4kdN8pITy


 俺だけじゃなかったんだよ。
 会長が話し出したら、みんな顔をあげて聞いてんだよな。

 この人の声は不思議な魅力があるのかもしれない。

 内容じたいはごく普通だったし、簡潔で演説時間も一番短かった。

 きれいにお辞儀すると、会長は舞台袖にもどった。

 ゆいいつ、もっと聞いていたいって思わせる演説だったね。


188: >>1 2014/04/22(火)23:32:51 ID:4kdN8pITy


 長すぎる演説会がおわって教室でクロダとダベっていると、
 先輩から電話がかかってきた。

『お前当選したよ。ぶっちぎりだったって』

 どうして選挙管理員でもない先輩が、選挙結果を知っているのか。

 しかも、結果報告は三日後のはずだ。

『選挙管理員のヤツから聞いたんだよ。
 てか、オレの言ったとおりになったでしょ?」

 あのマイクトラブルは、先輩の仕組んだものだった。

 選挙管理員をうまく言いくるめたらしい。
 ちなみに最初に声をあげたのも、先輩だったそうだ。


190: >>1 2014/04/22(火)23:35:34 ID:4kdN8pITy


『それより給料の確認しろよ』

 先輩との通話のあと、すぐに俺は給料の確認をした。

 いったいどれだけ給料があがってるのか。

 サイトを開いて、すぐに今の給料を確認する。
 あれだけの人間の前でウソをついたんだ。
 会長ひとりだけで、あれだけ給料があがったんだ。
 わくわくしてディスプレイを見た。


 千円だけあがってた。


193: >>1 2014/04/22(火)23:41:26 ID:4kdN8pITy


 俺は図書室で考えていた。

 給料の基準がわからない。

 俺の予想では、今回ですくなくとも十万ぐらいにはなると思っていた。

 実際は千円。
 俺は思ってもないようなウソを演説で言いまくった。
 『お前ら全員だまされろ!』って思いながら、言葉を並べた。


 演説なんてものは、もとからウソが前提だし効果がうすいのか?
 もしくは俺の演説は、誰にも聞かれていなかった?


194: >>1 2014/04/22(火)23:47:03 ID:4kdN8pITy


 ちなみに。なぜ図書室で残っているのか。

 今日は母親が休み。
 そして、俺はファミレスでバイトをしていることになってる。

 毎日早く帰ると、バイトをやってないことがバレる。

 というわけで俺は、図書室で時間をつぶしていた。

 てきとうに手にとった『黒い家』っていう本を読んでいたけど、
 全然頭に入ってこなくて読書はやめた。
 俺は知り合いがいないか確認して、ノートを開いた。

 ちょうどそのとき、会長が入口から入ってきた。


196: >>1 2014/04/22(火)23:50:45 ID:4kdN8pITy


 俺は無意識に彼女を目で追っていた。

 歩いている会長を見ていて気づいたんだけど、この人、
 歩き方がすごいきれいなんだよ。

 背筋がすっと伸びていて、落ちついた物腰。

 会長は俺の視線に気づいたのか、こちらを見た。
 会長が俺を手招きした。


197: >>1 2014/04/22(火)23:52:11 ID:4kdN8pITy


「演説慣れしてるんだね」

 図書室を出て中庭につくと、会長は俺にそう言った。

「会長さんのほうが慣れてるじゃないですか。ボク、感動しましたよ」

 本心だった。俺は会長の演説を、もう一度聞いてみたいとすら思っていた。

 「それ、本気で言ってるの?」会長が目を丸くする。
 目が大きい人って、表情の変化がわかりやすいんだよ。

「ホントです。会長が演説したら、みんな顔をあげたんですよ!」

「キミもわたしが演説するまで寝かけてたよね」


 会長に笑われて、俺は顔をこわばらせた。


198: >>1 2014/04/22(火)23:55:38 ID:4kdN8pITy


「あまいなあ。見てないと思った?」

 会長はニヤリと笑った。
 のちのち知ることになるんだけど、この人はけっこう個性的な人なんだ。

「でも、どうしてボクを見てくれてたんですか?」

「やだあ!」と会長が俺をどつく。けっこう威力がつよかった。

「あの。けっこう痛いっす」

「ご、ごめん。だいじょうぶ?」

「だいじょうぶです。それで、なんでですか?」

「だってナガタくん、わたしに告白したでしょ」


200: >>1 2014/04/23(水)00:00:01 ID:6yBpwU0cH


 言われるまで、本気で自分が告白したことを忘れていた。

 そうだよ、俺は会長にウソをついていたんだ。
 ここから先の会話は、完全に覚えている。

「ひとつ聞いていい?」

「なんですか?」

「どうしてわたしに告白したの?」

 答えられない俺に、さらに会長がたたみかけてくる。

「なんの理由もないの?」


201: >>1 2014/04/23(水)00:04:25 ID:6yBpwU0cH


 俺は思わずこんなことを言っていた。

「よくそんなことを、ストレートに聞いてきますね」

「わたし、遠回しなのはあんまり好きじゃないからさ」

 俺は足りない脳みそで必死に考えた。


「いや、なんていうか一目ぼれに近いものなんです。
 日ごろから壇上に立ってる会長さんを見てて、すげえなこの人って思ってて。
 気づいたら好きになってました」


 文章にするとサラッと言ってるように見えるけど、
 実際に言い終わるのには、そうとう時間がかかった。


202: >>1 2014/04/23(水)00:09:14 ID:6yBpwU0cH


 俺が言ったことは、ほぼウソだった。
 そしてメチャクチャだった。

 今日の演説を聞いて会長は、俺にとって完全に『遠い人』になっていた。

「キミもかなりすごいことを言ってる気がするんだけど」

 「言われてみると」と俺は頬をかいた。

「もしかしてけっこうチャラいの?」

「ボクがチャラかったら。世の中の人、みんなチャラいですよ」



203: >>1 2014/04/23(水)00:11:21 ID:6yBpwU0cH


「わたし、キミが思ってるような人じゃないと思うよ?」

 会長は続ける。「けっこう性格もアクがつよいって言われるし」

「それでもいいわけ?」

「なにがいいんですか?」

「わたしでもいいのかってこと?」

 会長の言葉を理解できないまま、俺は人生で一番深くうなずいた。
 けっこう沈黙の時間が続いた。

 「よし、わかった」と会長が俺を見た。
 緊張したように深く息をすうと、会長は言った。


「つきあおっか」


207: >>1 2014/04/23(水)00:17:05 ID:6yBpwU0cH


 意味が理解できなかった。
 なんだこの質の悪いラブコメみたいな展開は。

「もういっかい同じことを言ってもらってもいいですか?」

「つきあおっか」

「つきあうってことの意味、わかってますか?」

「失礼な。しっかりわかってるし、もうデートプランまで練ってるよ」

「本気ですか?」

「え? 結婚も前提に考えてるの?」

 「そこまでは、さすがにわたしも」と会長は眉毛をまげた。
 自分でアクがつよいって言うだけのことはあるのかもしれない。


209: >>1 2014/04/23(水)00:19:59 ID:6yBpwU0cH


 それから俺と会長は、同じようなやりとりをしばらく続けた。
 引っ張る必要はないね。
 俺と会長はつきあうことになってしまった。


「会長ってB線だったりしますか?」

 会長は驚いたように、口もとをおさえた。

「どうして知ってるの?」

「風のうわさで聞きました」

「誰が風を流してるんだろ。そういうのやめてほしいなあ」

 会長は頬をふくらませる。


211: >>1 2014/04/23(水)00:23:40 ID:6yBpwU0cH


「どうしてですか?」

「わたしが好きになった人にもうしわけない」

「ああ、なるほど」

「実際に否定できないし」

 なにも言えなくなった俺。会長があわててフォローする。

「あ、ちがうよ。ナガタくんは、その……」

 会長が口をもごもごさせる。

「ねっ? うわさって誤解を招くからよくないでしょ」

 最終的にそう結論を出した。


213: >>1 2014/04/23(水)00:28:04 ID:6yBpwU0cH


「こういうのは、きっちりしておきたいから」

 会長が俺にまっすぐ向きなおる。

「わたしとつきあってくれますか?」

「え? あ、はい……」

「わたしのこと好きなんだよね?」

「そ、それはもう……好きです」

「わたしも好きですよ」と会長は敬語で言った。


214: >>1 2014/04/23(水)00:30:32 ID:6yBpwU0cH


 こうして俺に彼女ができた。

 家に帰ってから、俺は本気で頭をつかって考えた。
 彼女ができた。しかも会長みたいな、ステキな人。

 だけど、俺は素直に喜べなかった。

 今からでも「ごめんなさい」と謝るべきなのでは?

 会長と俺ではどう考えても釣り合わない。

 しかし、同時に俺はとんでもない利益を得てしまった。

 俺はケータイのディスプレイをもう一度見た。
 表示された額は――


 十万円。


215: >>1 2014/04/23(水)00:30:38 ID:6yBpwU0cH


part3へつづく


引用元: http://viper.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1398002732/



        


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